10月2日より、ハイレゾファイルでの久保田翠アルバム『later』配信が始まっています。サイデラ・マスタリングさんのレーベル・SDMindiesからのリリースです。
以下のサイトからは全曲視聴することができます。まだアルバムをお聴きいただいていない方、CD購入をお考えの方にも、是非ご一聴いただきたいです。
解像度が大きく上がった音響は、ぜひ可能な限り大きな音量で(あればスピーカーから)ご視聴いただくのをお勧めします。ピアノの音の佇まい、打鍵の際にキーが底を打つ音、ゆっくりと消えてゆく音の余韻、ペダルを踏む音や椅子の軋み。全ての音や空気が存在感を持って鳴り響いています。同じ曲を異なるファイル形式で聴き比べてみると、その鮮やかさがさらに浮かび上がります。また、曲ごとに繊細に施されたミックスの違いがよくわかると思います。
オーナーレーベルの福田貴成はこのハイレゾ音源について「「音がそこにある」ことの驚異」という表現を用いていますが、「演奏行為のドキュメンタリー」というアルバムのコンセプトに叶う素晴らしい音になっていると思います。改めて録音の中村益久さん、ミックスの鎌田岳彦さん、ミックスおよびマスタリングのオノセイゲンさんに感謝を申し上げます。
私自身このアルバムを作る過程は、自分の中に新たな耳を育ててゆく過程でもありました。受けてきた教育により自分の中ではエクリチュールと音とが分かち難く結びついている(結びつけないといけなかった)のですが、それらを一旦解体する作業を幾度となく繰り返してきました。それまでと異なる聴き方を育てるのは地味で果てしない作業ですけれども、様々な音をただそのままに受け止めリフレクトしてゆく作業は、単純に楽しくもありました。ちょうどアルバム制作に勤しんでいた昨年の春~夏は、改めていろんなアーティストのアルバムを聴き返していたのですが、三宅純さんやベス・ギボンズ、コクトー・ツインズなどのアルバムはこの『later』制作においても(音楽上のスタイルの差異を超えて)重要な参照源となりました。
ファイル形式はPCM24bit96kHz、DSD5.6MHz/1bit、DSD 11.2MHz/1bitの3種類です。いずれもOTOTOY、e-onkyo、moraで購入いただけます。OTOTOYとe-onkyoでは、購入特典として4ページのPDFブックレットが付属しています。CD版には未掲載のテクストと写真が掲載されています。まずはぜひ、ハイレゾの音の質感をお楽しみいただけると幸いです。
★OTOTOY
久保田翠/ later (24bit/96kHz)
久保田翠/ later (DSD 5.6MHz/1bit)
久保田翠/ later (DSD 11.2MHz/1bit)
★e-onkyo
★mora
久保田翠/ later (24bit/96kHz)
久保田翠/ later (DSD 5.6MHz/1bit)
久保田翠/ later (DSD 11.2MHz/1bit)